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【導入事例】食品・医薬品製造における外観検査システム導入のメリット

目次

ケース1.個体差が生じやすいお菓子の検査をAI画像判定で自動化

2022年4月から、ロッテの狭山向上では製造業向けAI画像判定サービス「MMEye」を導入しています。チョコレート菓子の生産は、生産当日の室温や湿度等の影響を受けやすく、仕上がりに個体差が出やすいという特徴があります。従来は人の目で確認して検査を行わざるを得ず、熟練技術者のノウハウに依存し品質や生産効率の改善に時間がかかっている点が問題でした。

「MMEye」を導入したことで、生産ライン上の菓子の欠けや割れといった不良品判定の自動化に成功。「ワレ・カケ」「チョコ注入時のはみ出し」「焼き色」をAIがチェックします。「MMEye」の導入により、前工程を変えることでどのように結果に影響が起こるかの効果検証や、不良品率・不良品のパターンが把握、全数検査によるデータの取得・集約・分析ができるようになりました。

参照元:YE DEGITAL
https://www.ye-digital.com/jp/casestudy/lotte.php

ケース2.AI検査装置導入による食品ロスの削減

株式会社ニチレイフーズは、AIによる選別検査装置を導入しています。食品の製造においては、原料由来の夾雑物である骨や殻などの小さな破片が混ざっていないか、商品の形や焼き色は規格に合っているかなどを検査機器や人の目で検査して不良品を排除します。食品への異物混入が度々ニュースになるなか、不良品との基準範囲境界に近い商品は除かれ、生産段階で発生する食品ロスは大きな問題です。さらに、ミリ単位の異物や微妙な色の違いを見極めることは難しく、人手不足も問題になっていました。

ニチレイフーズでは20年以上前からえびの残殻検査装置を自社開発し、問題解決に取り組んできました。新しいAIによる選別検査装置では、チキン原料を特殊なカメラで撮影し、画像の血合いや羽の部分を独自のアルゴリズムで数値情報化してAIで判定できます。

参照元:ニチレイ公式HP
https://www.nichirei.co.jp/food_loss/2-1/

ケース3.高精度なAI検査装置導入で人の10倍速での検品を実現

2021年7月、四国化工機株式会社は豆腐業界では初めて、割れや欠けのある豆腐をAIにより自動判定し検品する、AIラインピッキングシステム「STI-ALPS」を開発・導入しました。もめん豆腐は、豆乳をにがりで凝固させたあとに一度崩してから押し固めてつくります。柔らかい豆腐をカットする際に割れ目やくぼみ、欠けが発生するのはある程度仕方がないと考えられていました。

従来、1時間あたり3,000パックのもめん豆腐の製造・検査が行われる製造ラインでは、管理者を含め4名が作業を実施し、熟練の検査員が1パックあたり約1秒のスピードで、目視で確認していました。「STI-ALPS」は、人間のおよそ10倍のスピードで検品作業を行い、4名体制を取っていた製造ラインを管理者1名だけで稼働できるようになりました。

参照元:IBMソリューションブログ
https://www.ibm.com/blogs/solutions/jp-ja/iot-shikoku-kakoki/

ケース4.負担だったジャムの目視検査の問題を解消

アオハタ株式会社と株式会社ニコンは、ジャム・フルーツスプレッドの製造工程において、光学技術とAIを活用し、異物・夾雑物を検出・除去するための異物検査装置を共同開発しました。2019年5月より、「アヲハタ 55ジャム」など主力商品の生産ラインにおいて稼働させています。ジャム・フルーツスプレッドの製造では加熱などの加工を経た製造工程中、容器に充填する前に人による目視検査を全量行いますが、作業者の身体的負担や検出精度のバラつきが問題でした。

そこで、異物や夾雑物の違いを見分ける際にはニコンが持つ光学技術、撮影画像から夾雑物を検出する処理にはディープラーニングを活用し、異物検査装置を製作。異物検査装置と従来からの人の目による目視検査を併用し、検出精度の向上と作業負担の軽減を実現できてきます。

参照元:アオハタ公式HP
https://www.aohata.co.jp/news/release/20190522.html

ケース5.導入後に医薬品の包装検査で見逃し率0%を達成

国内外合わせて13の生産工場を抱える小林製薬グループのなかでも最大規模を誇る工場を持つ富山小林製薬株式会社は、日用品や薬粧品など400超の製品を製造しています。これらの製品のうち光沢がある包装を使用した「EDICARE EX」は、光の加減で良品が不良品と判定されてしまう過検出が多発していました。

従来はキーエンスの「XG-X」のみで検査していたところ、後工程にシーイーシーの「WiseImaging」、2つを連携・制御するためにキーエンスの「KV-8000」を導入しました。2019年7月からAIに学習させたりオフラインでテストをしたりし始めて、2020年6月からインラインでのテストとオフラインでの調整を開始。2021年3月に本稼働がかない、目視の検査員が不要になって人的リソースの最適化が可能になりました。

参照元:VR+R
https://vrr.cec-ltd.co.jp/case/wiseimaging03.html

ケース6.外観検査機器により着色糖衣錠の自動化に成功

中外医薬生産株式会社は、梅田電機株式会社の外観検査機器を導入しています。カラーラインセンサカメラ2台に加えて、自動反転機構や自動排出機構が搭載されています。着色糖衣錠の外観検査では、色あい、汚れ、異物、形状などの複数要素を判別しなければなりません。複数要素の検査を同時に実現する専用アルゴリズムを用いて、目視官能検査の自動化を実現しました。

参照元:【PDF】梅田電機「錠剤外観検査装置」
https://www.umeda-electric.com/ueweb/application/files/8615/6626/7764/-min.pdf

検査品質の均一化を実現できる AI外観検査とは

AI外観検査は検査員の主観や経験に左右されず、一貫性のある検査品質を実現する革新的な手法です。ディープラーニング技術を活用し、大量の学習データに基づいて自動的に異常を検知・判定します。また、AIが自ら学習することで常に新しい検査ルールに適応するため、複雑なルール設定の手間はかかりません。AI外観検査を導入すると、検査の精度や処理速度を向上できるほか、長期的なコスト削減にもつながります。

AI外観検査について
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【目的別】
初めての導入におすすめの
AI外観検査3選

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AI外観検査がおすすめ

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単純な検査からまずは自動化したいなら
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まずは⾃動化したいなら
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目視検査のサポートとして一部自動化したいなら
目視検査のサポートとして
一部自動化したいなら
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AI機能付き検査カメラ」がおすすめ

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