外観検査とは部品や製品の品質を維持し保証するために不良を確認する検査で、外観上の欠陥を確認して良否の判定を行います。外観検査には傷、変形、欠け、汚れなどの検査がありますが、異種混入チェックも外観検査の一つです。
薬の錠剤シートに別の錠剤が混入していないか、缶詰などのラインに異種容器が混入していないか、ラインを流れる部品の中に違う部品が混入していないかなどについて検査します。異種が混入されてしまうと重大な事故が発生する原因となるので、重視される検査です。
異物混入検査を自動化するには、イメージ処理技術と分類アルゴリズムを組み合わせるケースが一般的です。
はじめにカメラで製品や部品の画像を取得し、イメージ処理技術を用いて事前処理を施します。
その後、AIによる分類アルゴリズムを適用し、異種の物質や物体を検出するための学習モデルを作成します。
取得した画像から形状やテクスチャなどの特徴量を数値化し、異種物体と比較することでその存在を判定します。
現在の外観検査現場では、ルールベース検査が主流です。ルールベース手法では、検査員が事前に外観の異常や不良の特徴に関するルールを定義したうえで、センサー技術を駆使して製品の外観を検査・判定します。
異種混入検査では、主に画像センサーが使用されます。あらかじめカメラで撮影した製品画像をカラー処理することによって、異物混入の有無を判別可能です。
外観検査の自動化においては、従来のルールベース検査システムに加えてAIによる外観検査も普及しつつあります。異物混入検査においてもディープラーニング技術を駆使して、AIが異常と判断した対象物だけを目視検査すれば、検査の作業負担を大幅に軽減できます。
ただし、人間と同様にディープラーニングも学習段階でミスをする可能性があります。外観検査の精度を担保するためには、AI技術を導入しながら人の手で最終チェックするのが望ましいでしょう。
従来、ライン上においての異種混入検査は、人間による目視検査で行われていました。しかし人為的なミスや実際に異種混入することが少ないので見逃してしまうことが多いため、画像処理を使った自動外観検査装置について、色々な研究がされています。
例えばラインを流れている部品や製品に光を照射して得られた反射光の明暗パターンと、あらかじめ登録してある正常品の明暗パターンと比較して判別する方法などがあります。
ライン上を搬送されてくる金属部品の中に違う種類が混入している場合を検査するには、まず部品の特徴を良品モデルとして登録しておきます。
ラインの上に流れている部品に照明を当て、上部に設置されているカメラで撮影して良品モデルと比較、決められた領域内に違うモデルが搬送されてきている場合は不良と判断します。
ディープラーニング(深層学習)技術を活用したAI外観検査は、従来の目視検査に代わる新たな検査手法です。AI外観検査の導入により検査精度が向上すれば、検査工数や人的コストを削減できます。また、検査員の作業負担が軽減される、生産性が向上するなど、従来の目視検査が抱えてきた課題の解決につながります。
これまで人の目で確認していた外観検査を自動化できる「AI外観検査」。とにかく外観検査を省人化したい企業も、自動化して自社製品の品質を担保できるか心配な企業も、AI外観検査の導入前に仕組みを理解したうえで導入することで、うまく活用することができます。
本サイトでは、AI外観検査のしくみからメリット、初めての導入におすすめの開発会社までをすべて紹介しています。
製缶のラインに異種容器の混入がないかどうか検出します。あらかじめ容器胴部の全周画像をメモリに登録しておきます。ラインを流れる被検査容器を電子カメラで撮影し得られた画像と画像メモリ内にある画像と比較し一致すれば異種容器ではないと判別します。
薬の錠剤やカプセルの包装ライン上で1枚のPTPシート上にある錠剤やカプセルの中に違う錠剤が混入していないかどうか検査します。あらかじめ正しいシートの画像を登録しておき、ライン上を流れてくるシートの画像を撮影し異なる薬が混入していないかどうかチェックします。
最近はフルカラーの画像処理によって異種混入検査精度が向上し、従来のモノクロ画像では判別できなかった色についても製品と同じカラー画像と比較する検査が可能になっています。
ライン上を流れてくる出来上がった樹脂成型部品の中に良く似ているが違う部品が混じってしまうことがあります。この検査方法は、まず良品の形を登録します。
全体登録すると相違部分が少なくなるので全体を上・中・下に3分割して、それぞれ登録しておきます。検査は登録モデルと被検査物の形がどのくらい似ているかを%で表した相関値で判定します。
AI外観検査の中から、初めての導入におすすめのAI外観検査開発会社をピックアップ。
AI外観検査は、製品や開発会社によって自動化できる対応領域が異なります。
ここでは、自動化したい範囲に合わせておすすめの開発会社を紹介しています。
品質の一定化やヒューマンエラーに課題を感じる企業におすすめ。定量化しづらく、思わず人の判断に頼ってしまっている検査項目も丁寧に検証し、細かく定量化したうえでAIに判断させることが可能。
自社固有の要件をしっかりと採り入れて検査ラインを構築できます。
単純作業に人的工数がかかっている企業におすすめ。AIベンダーが保有する既存のAIパッケージに対して、自社の要件に合わせて判断基準をカスタマイズすることで、これまで統一化されていた判断が可能。
誰でも検査が可能であった項目を自動化することができ、オーダーメイドに比べて比較的短期間で導入できます。
検査そのものの工数から削減し、社員の負担を減らしたい企業におすすめ。画像データを基に、定量化した判定が可能。細かなカスタマイズの対応は難しいものの、比較的低価格で導入することができます。
異常判定が出た部品のみ目視で検査するなど、目視と自動化を使い分けて活用することが可能です。
2023/4/23時点、Google検索にて「AI外観検査」と検索し、表示された企業のうち、初めての企業でも安心のサポートを提供できる企業として以下3つの内容が公式HPに掲載されている企業をピックアップ。
・撮像の
サポートがあるか
・サーバ・カメラ・照明等のハードウェアの提供
・導入後の運用サポートがあるか
ピックアップされた企業を「AI機能付き検査カメラ」「パッケージ型」「オーダーメイド」のシステムを提供する企業に分類し、それぞれの項目から条件に当てはまる企業を厳選しています。
「パッケージ型」のみ条件に当てはまる企業が複数社あるため、その中でも「パッケージ型」の特徴である効率的なAI構築に特化している企業として、「撮像」「判定」「運用」の3つのノウハウを統合したワンストップソリューションを提供する「マクニカ」をピックアップしています。