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外観検査の照度の問題とは?作業の明るさと作業員の負担について

目次

当記事では、外観検査に必要な照度について詳しく説明していきます。目視検査に関する照度の対策と、自動外観検査に関する内容にも触れています。

外観検査に必要な照度は?

人の目は、背景や明るさなどによって見え方が変わります。 そこで検査基準に加えて、正確に目視検査できる環境を整えることも大切です。複数のスタッフで作業を行ったり、いくつかの検査室で作業を行ったりする場合、すべてのスタッフの環境を一定の基準にしなければ外観検査を正確に行えません。

また、それぞれの空間や作業スペースに応じて、JIS照度基準と呼ばれるものが定められています。例えば、倉庫の場合100lx、階段だと150lxです。工場内では、行われる作業によって必要照度が分けられているのが特徴に挙げられます。

工場における基本的な照度要件を以下にまとめましたので、チェックしてみてください。

領域、作業、または活動の種類 照度[lx]
非常に精密な視作業 1500
やや精密な視作業 750
普通の視作業 500
やや粗い視作業 300

参照元:芝浦工業大学 ユーザーエクスペリエンスデザイン研究室pdf(https://www.mhlw.go.jp/content/11201000/000700625.pdf)

「非常に精密な視作業」は主に精密機械や電子部品への作業や検査、「やや精密な視作業」とは繊維工場での選別や作業などが該当します。「普通の視作業」とは一般製造工場での検査や組み立て、「やや粗い視作業」は倉庫内の事務作業などが挙げられるでしょう。

照度や照明における注意点

照度や照明における注意点には、どのようなことが挙げられるのかチェックしていきたいと思います。

作業員への負担

照度が高い空間の場合、選ぶ照明によって作業員の目の疲れや頭痛などの症状を招く可能性があるため注意が必要です。一カ所のみ強い光が集中したり、残像が残るようなまぶしさを感じたりする場合、作業効率が低下している可能性があります。

光の反射による見逃し

検査対象物に光を当てたとき、反射が生じていないでしょうか。反射が原因の傷の見逃しが生じ、不良品が流出してしまう可能性があるのです。検査対象物が金属でできた製品や白い色の商品だと反射しやすいと言われています。LEDのような直線的な照明よりも、拡散型の照明(蛍光灯や無電極ランプ)のほうが反射しにくい性質を持ちます。

演色性への注意

演色性とは、照明を通した色の見え方のことをさします。例えば、洋服を買った際に店内で見た色と屋外で見た色が違ったという経験がある方もいると思いますが、これが演色性の違いによるものだと言われています。Raという数値で表され、晴れた屋外の場合だとRa=100です。このRaが100に近いものほど、太陽光の下にいるときと同じような色の見え方をするのです。検査工程において色を重視する場合、照明の演色性を考慮するとよいでしょう。

影による死角

検査対象物を照らしたとき、影が濃く出ると死角となってしまい、検査可能な範囲が狭くなりやすいです。また検査によっては、拡大鏡を用いて検査しているケースがありますが、照明によっては拡大鏡が影になることもあるのです。

照度や照明に関する対策

ここでは、照度や照明に関する対策について詳しく説明していきます。

無電極ランプ

空間を照らすための照明として採用される無電極ランプですが、備えている光の特性が検査の照明に適しているのです。無電極ランプは、蛍光灯をサークル上にした発光管であり、拡散性の光だと言われています。影が濃く出ず、一点に光が集中してしまうこともないので、傷がよく見えやすいという特徴があります。

刻印を確認するなどの作業で無電極ランプを採用している企業もあります。LEDで検査を行うことで、頭痛や目の疲れなどの症状を伴っていたスタッフが無電極ランプをデモで取り入れたところ、頭痛が改善したケースもあったという事例も。

また、カメラを使って検査をする場合、LEDだと光のラインが出すぎてしまったり、光が強すぎて反射したりするなどの課題があったのですが、無電極ランプを採用して解決した事例もあるのだそうです。

参照元:コタニ株式会社(https://www.kotanikk.com/light/blog/knowledge/post-3383/)

有機EL照明

目視検査に有効だと言われている有機EL照明は、濃い影や、影が何重にも重なってできるマルチシャドウを形成しないため、見えづらさを軽減します。太陽の日差しに似た柔らかな光で、部品の表面についた傷などを見つけやすいのもポイント。

また、広く拡散された光がワークに届きやすく、反射強度は小さくなって目の疲れの軽減に役立つという特徴を持ちます。 その他には、眩しさを感じにくくなるため手元の見えやすさや作業効率向上が期待できたり、ブルーライトによる刺激を抑えやすいので、夜間の作業であっても生体リズムに影響を及ぼしにくかったりするのもメリットでしょう。

参照元:株式会社カネカ(https://www.kanekaoled.jp/utilize/case07.html)

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